介護福祉の仕事紹介-現場からの発信

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム 松みどりホーム

https://www.srk.or.jp/home/(別サイト) (推薦団体:公益社団法人 横浜市福祉事業経営者会)

松みどりホームは、社会福祉法人松緑会が運営する70名定員の特別養護老人ホーム(以下「特養」)です。

昭和53年に法人設立、同年に認可保育所の松みどり保育所を開設、昭和58年に特別養護老人ホームを開設しました。開設から40年が経ち、地元に根付いた歴史ある施設となっています。

特別養護老人ホームのサービス内容

特養は、介護保険法に基づき運営されている公的な施設で、入所型の施設の中では比較的安価なのが特徴です。そのため、申込者数も多く、すぐに入所することは難しいのが実情です。

横浜市の場合、申込受付センターで一括して申込みを受け付けており、申込みの順番ではなく、入所の必要性などから算出した申込者の点数によって入所の優先順位が決定します。

※申込みの方法は市町村ごとに異なります

特養には、大きく分けて「従来型」と呼ばれる多床室の施設と、「ユニット型」と呼ばれる個室の施設があり、松みどりホームは4人部屋中心の「従来型」の施設です。松みどりホームでは入所だけではなく、一時入所生活介護(ショートステイ)のサービスも行っています。

対象者は、常時介護が必要で、在宅での生活が難しい高齢者のうち、要介護3以上の方です(要介護1~2の方も、特例要件として入所は可能)。食事、入浴、排泄などの生活介護、機能訓練指導員によるリハビリ、看護師による健康管理・受診・服薬や、多職種で連携し、看取りにも対応しています。

1日の主な業務の流れ

松みどりホームでの1日の主な介護業務の流れを説明します。

松みどりホームでは、詳細な業務分析を行った結果、それまでの3シフト制から5シフト制に切り替えました。夜勤による肉体的・精神的な負担を減らし、職員の健康を守るための一助にもなると考え、「ショート夜勤」を考慮したシフトを採用しています。

具体的には、A勤、B勤、C勤、D勤、E勤と5つのシフトがあり、その中で業務分担を行っています。

松みどりホーム 介護職員勤務チャート

介護職員勤務チャート

A勤(7:00~16:00)

A勤は、これまでの「早番」に該当するシフトです。

7:00出勤、利用者の朝食準備
7:30利用者の朝食介助
8:15口腔ケア
9:00排泄介助
10:00入浴介助、水分補給
11:00昼食準備
11:30昼食介助
12:15口腔ケア
12:30職員が順番に休憩
14:30排泄介助、間食(オヤツ)介助
16:00退勤
B勤(7:30~16:30)

7時30分に出勤し、朝食介助を行います。それ以降はA勤とほぼ同様の流れとなります。16時30分に退勤となります。少し早起きにはなりますが、明るいうちに退勤することで、オフも充実させることができるシフトです。

C勤(9:00~18:00)

いわゆる「日勤」と呼ばれるシフトです。

9時に出勤して、利用者の排泄介助を行います。それ以降はA勤とほぼ同様の流れとなります。16時30分以降は夕食の準備を行い、17時に利用者様の夕食介助を行います。17時45分に利用者様の水分補給の準備を行います。18時に退勤となります。多くのパート職員がこのシフトで業務を行っています。

D勤(13:30~22:30)
13:30出勤、入浴介助
15:30休憩(1時間)
16:30夕食準備
17:00夕食介助
17:45口腔ケア
18:00以降順次、就寝介助
20:00排泄介助
22:30退勤
E勤(22:30~8:30)

いわゆる「夜勤」に該当しますが、松みどりホームでは前述のように「ショート夜勤」と呼ばれるシフトを採用しているのが特徴です。さらに、夜勤の職員の負担を減らす一助とするべく、全床にセンサーマットを導入し、利用者がベッドから離床した際に、ナースコールと連動して知らせてくれます。事故を予防するだけではなく、利用者からのコールにできるだけ早く対応することができます。

22:30出勤、コール対応
0:00排泄介助
2:00巡回
3:00排泄介助 その後、都度コール対応
6:00起床介助
7:00A勤と一緒に朝食準備
7:30朝食介助
8:15口腔ケア
8:30退勤

この5つのシフトは、完全に固定されたわけではなく、常に業務分析を行い、職員からの意見を参考にしながら、業務内容に柔軟に反映させ、改善を行っています。

なお、松みどりホームでは、全職員にインカムを導入しており、様々な連絡事項などをリアルタイムで全職員に伝えたり、疑問点があった場合に、すぐに先輩や専門職からの回答がもらえたりするなど、大きな力となっています。全職員、出勤すると自分のシフト用のインカムを装着してから、職場に出ていきます。退勤時には、インカムを返却してから帰ります。

その他、各シフトで必ず記録業務があります。松みどりホームでは、記録をデジタル化しており、作業中にもタブレットを使って随時記録を行い、デスクに座った際にはPCを使って詳細な記録業務を行っています。様々な情報はリアルタイムで反映され、全職員で共有することが可能となっています。

また、日によっては様々な行事やクラブ活動、レクリエーションを行う日もあります。行事やレクリエーションは、各課と協力しながら、準備から運営、終わった後の評価までを一連の流れとして行っています。

以上が1日の主な業務の流れとなります。

勤務中の風景

どのような職種の人が働いているか

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の運営を支えるのは、介護職だけではありません。様々な職種の職員が、それぞれの職種の専門性を活かしながら、利用者のために働いています。

施設長 施設管理者として、法人理念に沿った施設運営が提供できているかを判断します。
また、会計責任者として介護報酬などの収入の管理、経費の内容やコスト軽減の取り組みなど支出の管理等を行っています。
介護職員 基本的な入浴や食事、排泄などといった生活支援を通じ、利用者の生活をお手伝いしています。また、日々記録業務や、その利用者の皆様に合った適切な介助ができるよう多職種と連携を行っています。
他にも、行事やレクリエーション、クラブ活動の計画といった、利用者が充実した生活が送れるよう日々考えています。
看護職員 利用者の健康管理や服薬管理など、日々の医療的な管理を行っています。病院受診や入退院、急変時の対応も看護職員の業務です。
また、施設内の感染症予防に対する対策や感染症発生時の対応などを計画し、他職種の職員に対して周知・指導をしています。
機能訓練指導員 利用者ができるかぎりご自身で身の回りのことができるよう、機能訓練を行っています。
また、その方にあった車椅子の選定や車椅子上での座位、ベッド上での適切な体位を判断し、職員へ周知・指導もしています。
生活相談員 利用者とその家族との連絡調整や相談業務を行っています。新しい利用者の入所対応やご家族・行政機関との相談対応なども行っています。
利用者の状況や家族の意向を伺い、施設生活を、より過ごしやすくしていただくためのお手伝いをしています。
介護支援専門員 利用者のケアプランを作成し、多職種と連携を取りながら利用者お一人おひとりのにあったケアプランを定期的に見直しています。
また、利用者や家族からの要望を聞き取り、生活相談員と協力しながらケアプランに反映できるよう検討しています。
管理栄養士 利用者の皆様の栄養管理や献立作成などを行っています。季節にあった行事食を考えることや、皆様の食嗜を聞き取り反映できるように努めています。
また、多職種で連携をし、利用者お一人おひとりにあった食事の提供を実施しています。
調理員 管理栄養士と協力し、利用者が生活するうえで必要な食事を作っています。特別養護老人ホームで必要なトロミ食やミキサー食など、皆様の個性にあった食事形態で提供できるように調理を行っています。
また、利用者が楽しく美味しい食事を召しあがっていただけるよう、色合いの工夫や、新しいメニューの提案などにも取り組んでいます。
事務員 松みどりホームで働く職員が、効率的に、明るく業務が行えるよう、職場環境の向上に努めています。
日々の会計業務や人材雇用、労務管理はもちろん、備品の在庫管理や発注業務も行います。また、利用者の受診や入退所の送迎も行っています。
  • 勤務中の風景
  • ミーティング中

職員からのメッセージ(神奈川県の介護現場の魅力)

  • 無資格・未経験で入職しましたが、資格取得の支援制度を利用して、初任者研修、実務者研修、介護福祉士まで取得しました。神奈川県は、福祉に関する様々な研修の機会も多く、ステップアップを図ることができています。(40歳代、介護職、女性)
  • 神奈川県は豊かな自然を楽しめる環境があります。松みどりホームがある横浜市戸塚区は、湘南まで車で20分ほどで、マリンスポーツや釣りだけではなく、名物の生シラスなど、美味しいものもたくさんあります。休日にはリフレッシュを兼ねて、海で過ごせるのが魅力です。(20歳代、介護職、男性)
  • 神奈川県は人口が多いだけに人材も豊富で、この職場でも70歳を超えても元気に働くベテラン職員から、専門学校を卒業したばかりの新人職員まで、みんな仲良く働いています。また、お互いに思いやって希望休や年休も勤務を譲り合って取得したり、働きやすい環境が整っています。(30歳代、介護職、男性)
  • 県庁所在地である横浜は、魅力あふれる歴史と文化に育まれた町並みが魅力。赤レンガ倉庫を始めとする歴史的な建物も多く、明治以降に外国人居留地となった山手地区には、素敵な町並みが……。振り返れば華やかなみなとみらいの景色もあり、オンとオフを切り替えながら働ける環境があります。(30代、看護職、女性)
  • 神奈川県は東京都に隣接しているにも関わらず、川崎や横浜などの都会的な場所だけではなく、少し足を伸ばすだけで豊かな自然に恵まれています。よい職場に恵まれて、やりがいのある仕事ができ、休日には趣味も満喫して、充実した毎日を過ごせています。(60歳代、事務職、男性)
  • 松みどりホームのスタッフ

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