介護職としての私

特別養護老人ホーム興寿苑、高齢介護 3年目

新型コロナウイルス感染拡大対策により、実習などで介護・福祉の現場に足を運ぶことができず、対面で話を聞いたりすることが難しい高校生や関係者の皆さんに今の現場の雰囲気を感じていただくため、「介護・福祉分野と教育現場をつなぐ」をテーマに、介護現場で活躍する若手職員の声をお届けします。

高齢介護3年目

少しずついろんなことができるようになったことが嬉しくて、もっと高みを目指したくなった。
入職してから持つことのできた目標。

北見すず さん

施設
特別養護老人ホーム興寿苑
職務
高齢介護
経歴
高校卒業後、新卒で勤務。現在3年目

今回は、新卒で介護職員として勤務をして3年目を迎えた、特別養護老人ホーム興寿苑の北見すずさんにお話を伺いました。
北見さんには昨年(勤続2年目)もインタビューに答えていただいており、今回はその後の取り組みの状況や変化等についてお話をうかがいました。
(前回の記事はこちらから)

―現在の担当業務や役割などについてお聞かせください

昨年から引き続き、4階フロアを担当しています。

施設内に設置されている「褥瘡委員会」の委員として、褥瘡をつくらないための予防や、褥瘡になってしまわれた方の患部の状態を専門職間で共有するため、情報の整理などにも取り組んでいます。

―3年目を迎え、自分の中で意識しているテーマは?

利用者にもっと目を配れるようになりたいと思っています。

体調の優れない方、普段と様子が違うと感じる利用者さんがいると、家族のように心配になります。その利用者さんに自分ができることはないか、もっとさまざまな視点から気づくことができるよう、より専門性を高めたいと自分のキャリアパスを意識するようになりました。

今年で実務経験が3年になるので、来年には介護福祉士実務者研修を受講し、その先の介護福祉士国家試験を受験したいと考えています。

目標とする主任から
例えば「熱がある」という場合、その原因はさまざまで、中には尿路感染になって熱を出す人などもいます。尿道にカテーテルを入れている入居者の尿の色や、量がどの程度出ているか、あるいは咳が出ていたなど、単に熱があるということだけではなく、併せて自分が観察したことを整理して報告できるようになってきました。
観察のポイントなどは指導してきましたが、何を観察すべきかが良く分かっていて、こちらの知りたい情報も伝えてくれます。とても成長していると感じています。すごく要点を捉えて報告することができていて、他部所から私(主任)が褒められます。

―新型コロナウイルス感染症予防として施設内外で取り組んでいることは?

介護職として手洗い、消毒はもともと徹底していましたが、マスクは終日、毎日つけていたわけではないので、今年は真夏もマスク装着という状態なので、特に入浴時などは辛いです。

施設としては、熱中症予防のため入浴介助の際はマスクを外して良いことにしていますが、職員は自主的につけています。ウイルスは入居者さんから職員にうつることはありません。職員から移さないようにする、その意識がみんな高いです。通気性の良い素材や冷感の素材を使ってマスクを作るなど、独自に工夫している職員もいます。

入居者さんは、風邪の症状などがなければマスクはつけないので、表情は分かります。職員はマスクを装着することで顔の半分以上が隠れてしまうので、言葉だけのコミュニケーションにならないよう苦労しています。

日中のレクリエーションは、階をまたがず、フロア単位で実施しています。私が考案した輪投げとストロー吹きも行っています。ストロー吹きは、肺活量を使ってもらうプログラムで、吹き矢のように的に当ててもらうもの。ストローを2本組み合わせて、名入れをしてお一人ずつ専用のものを作りました。的に飛ぶ人もうまく飛ばない人もいますが、みなさん楽しんでいただいています。

外に出られない分、楽しい生活を送っていただくためにはレクリエーションは外せません。緊急事態宣言が出た後、介護職員も少しの期間でしたが在宅勤務を行いました。その宿題として、レクリエーションの企画を考えてきました。その中から早速実践したのが輪投げとストロー吹き。初めてで不思議な経験でした。

―これから業界に飛び込もうとしている未来の同僚たちにメッセージを

入職から3年目を迎えましたが、実務者研修の受講や介護福祉士国家資格の取得を目指すという考えは、高校時代にはありませんでした。入職してから持つことのできた目標です。少しずついろんなことができるようになったことが嬉しくて、もっと高みを目指したいと思うようになりました。

高校卒業後に業界に飛び込もうとしている皆さんには、私が学生時代に苦手で避けてきた勉強をしておいた方が良いと伝えたいです。特に国語。いざ現場に立ち、記録を打つときや言葉で伝えるときなどに、文章力が大切だと痛感しています。

特別養護老人ホーム 興寿苑のご紹介

経営主体:社会福祉法人 興寿会

〒238-0035神奈川県横須賀市池上6-5-21

電話:046-852-1301

ファックス:046-852-2004

http://kojukai.or.jp/

開所日:平成16年1月1日

定員:130名(入居120名、ショートステイ10名)

特別養護老人ホーム興寿苑は、入所者に適切な介護サービスを提供し、その人らしい生き方ができるように支援いたします。

穏やかで安らぎのある暮らし、仲間や職員、地域の方々との楽しい交流のある暮らし、生きていることの楽しさを味わえる暮らしを入所者の皆さんと一緒に作り上げていきます。

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