中学生時の職場体験から、「介護をやる」と確信。
最上の笑顔で、十人十色の利用者さんとのコミュニケーションを楽しむ。
鶴岡優菜 さん
- 施設
- 特別養護老人ホーム 中の郷
- 職務
- 高齢介護
- 経歴
- 高校(普通科)卒業後新卒で入職。現在5年目
この職業を目指したきっかけは?
中学二年生の時の職場体験で、デイサービスの現場を体験したのがはじめです。それまでは将来就くのは保育士がいいと思っていたのですが、三日間体験してみた結果、もう介護の仕事しかない、という気持ちになりました。
高校の進路相談ではもう「介護士になりたい」ではなく「なります」という位に気持ちを固めていて、親も先生もびっくりしていました。大学への進学は考えていなかったので、高校卒業後、すぐにこちらに就職しました。仕事はこの中の郷の現場で勉強させてもらっています。
今の職場を選んだのは?
高校で求人票を調べてみて、家から近いのと、お給料で選びました(笑)。即決です。
見ていたことを、自分でするようになった時にも特に勝手が違うとはならず、すんなりと仕事に入ることができました。人と関わる仕事がずっとしたかったので、すごく楽しく仕事をしています。
仕事はどのように学んできましたか?
就職して最初にはじめたのは、利用者さんとコミュニケーションをとることです。そこから先輩について、少しずつ教えてもらいながら、仕事をおぼえてきました。
先輩とペアで仕事に就く、見習いの期間は通常一か月くらいです。不安があれば期間を延長してもらうこともできます。
現在の仕事内容は?
利用者さんの生活のお手伝い全般です。ごはん、トイレ、お風呂、着替えなど、利用者さんにできない部分をお手伝いします。
利用している方の年齢は様々で、今は最高齢は102歳の方です。その方も自分で立てますし、食事も自分でできます。一方、70代の方で体をほとんど動かせない方もいたりと様々で、いろんなケースに合わせていく必要があります。
シフト制で夜勤もあります。最初は夜間に一人でトラブルに直面することが怖かったのですが、オンコールという応援連絡先があり、ベテラン職員の応援が頼めるので安心です。
その他の仕事としては「美容院係」をしています。毎週一回、美容院の人にきてもらっているのですが、利用者さんの髪の手入れ状況を見て、散髪をしてもらう人を決めています。
仕事で大事にしているのは?
笑顔です。中には気難しい方や認知症の方もいて、対応が難しいこともあるのですが、深く考えすぎず、笑顔で接するようにしています。
気分転換が早くできるほうで、いらいらしないで笑顔でいられることは、自分の取り柄だとも思っています。
仕事とプライベートのバランスはとれていますか?
今のところはバランスがとれています。仕事が好きでもストレスはたまりますが、友達と遊びに行って発散しています。そういう時は仕事のことは考えないようにしています。
地元出身なので、周囲に友達が多く、よく話したり遊びにいったりしています。休みに遊びにいくと、カラオケは必ず行きますね。シフト制ですから、フリータイムで朝まで歌ったり(笑)。大声で叫んで、はしゃいで、気分転換しています。
職場で面白かったことなどは?
新しく入居されたある利用者(女性)の方が最初苦手でした。職員をわざと困らせたり、職員に対し「ばか!」と言って笑ったりする方でした。
ある時、その方が私を見て「38番!38番!」と呼んでいました。私が仕事着として着ていた洋服に大きく「38」がプリントされていたからでした。それから私を呼ぶときは「38番!ちょっと来い!」と手招きするようになりました。他の職員が近くにいても、私が一番遠くにいても「38番!」。
そのうち苦手意識はなくなり、とても愛くるしく思えてきました。いつものように呼ばれて行くと、「38番が一番好き」と笑顔で言われました。その時は本当にうれしく、この仕事をしていて良かったなと思いました。
そんな風に、お世話やお相手をしていると、そのお年寄りがすごく愛くるしいと感じて楽しいです。頼られること、お世話をすることが好きなんです。
鶴岡さん自身も高校在学時に生徒の立場で受けた出張介護授業。
出身高校に出向き、今度は先輩として介護の仕事内容や魅力・やりがいについてお話してくれました。
今後の目標は?
4年間働いても認知症の方への接し方を難しく感じるので、勉強していきたいと考えています。人によってかかわりの仕方を変えていかなければいけませんから、まだまだ経験を積む必要があると感じています。
そして、今は資格を何も持っていないので、何かに挑戦してみたいと思っています。
介護の仕事に興味がある人に一言
介護には良くないイメージを持つ人も多いといわれますが、私は楽しい仕事だと思っています。単に仕事だからお世話をするのではなく、人を相手にする仕事としてコミュニケーションを楽しんでほしいですし、そういう人と一緒に働きたいと思います。
もし、誰かを教える立場になったら、そういう楽しさを伝えていきたいです。
施設の人から
事務局長:萩原 貫さん
鶴岡さんの明るさは最優秀です。思いやりのある優しい人柄で、利用者さんからも声をかけやすく、いつも明るく笑顔で接していける貴重な人材です。
「美容室係」をやってもらっていますが、髪の手入れ状況に気を配るなど、女性ならではの細やかな心配りもできる人です。
介護の仕事は、何より人柄が大事です。もちろん資格はあった方がいいですが、それだけでする仕事ではありません。最近資格の基準が緩和されて取りやすくなっていますが、資格は後でも取れるものなので、鶴岡さんのような人材には、若いうちは現場で経験を積むことを優先してもらい、ある程度余裕ができてから資格取得を目指してくれればいいと思っています。
今度初めて海外からの技能実習生を受け入れるのですが、世話役としても期待しています。
特別養護老人ホーム 中の郷のご紹介
経営主体:社会福祉法人 久寿会
神奈川県相模原市緑区大島1556番地
電話:042-763-0005
設立:平成8年
定員:40人
「中の郷」は特別養護老人ホームとともに、ケアハウス、グループホーム、デイサービスセンター、居宅支援・居宅介護支援センターも運営し、相模原市・橋本の地域福祉活動において大きな役割を担っています。
施設運営にあたり、基本理念である「安全で安心して安らげる福祉施設の創造」に基づき、利用者さんの安全を心がけ安心して生活できる環境づくりを目指しています。
また、そのためには働きやすい職場環境を整えると共に職員の資質の向上が不可欠となることから、職員教育の充実を図るとともに、スキルアップ(資格取得の奨励)の推進に努めています。